ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

偏愛的大迫恵美子論 テレフォン人生相談

大迫恵美子

それは冷たい情熱。

 

テレフォン人生相談評論家の千祥です(嘘)。

 

自宅でぼんやりのんびりするときのお供、それはやはりテレフォン人生相談である。youtubeにばんばんアップされており(違法でしょうな)、よりどりみどりである。同じ放送内容を異なる人が異なるタイトルでそれぞれアップするため、何度も同じものを聴く羽目になるのも愛嬌。 

 

おそらくラジオ局側といたちごっこなのだろう。youtubeのおかげで大迫恵美子の回を探せば出てくる出てくる。有難いことに数本分をまとめてくれているのもあるくらい。

 

大迫恵美子は優れた名刀使い。

だが、血に酔う気配がない。

 

私は大迫恵美子のファンである。大迫恵美子の特徴は、疑問点を洗い出し質問を浴びせ、じりじりと相談者ににじり寄り、相談者が言下にひた隠す本音を白日のもとにさらす。相談者がどんなに抗っても、抵抗は無意味であり、恵美子の追撃は静かではあるが、しかし容赦はない。本音を抉り出し、切る。声色ひとつ変えずにバサッと切る。スリルとサスペンスが横溢している。

 

大迫恵美子の魅力とはなんぞや?と考えるとき、それは弁護士という職業が培ったのであろう人間を洞察する力と、本音にたどり着くまでの胆力なのであるが、この、声色ひとつ変えない、というのがミソだと考えるのである。その冷たい刃使いぶりはテレフォン人生相談界の眠狂四郎に例えられよう。

 

普通、ここまでにじり寄って、相談者の本音をズバズバ言い当てて、相談者にグウの根も言わさず、号泣させたりすることが続くと、調子づくものである。

 

少々文章が書ける、少々芝居がうまい、少々歌がうまい、などなど、多少なにかが余人の追随を許さないレベルで習熟した者が喝采を浴びると驕りを見せるものである。ほうら、凄いでしょう。私できるでしょう。と、ほんの少しでもその驕りがこちらに見えたとき、それはくどさやエグさとして現れる。

 

名刀や妖刀は、その優れた切れ味に、刀の使い手が酔ってしまうことがあるのと同じである。

 

しかし、大迫恵美子にはそれがないのである。名刀、妖刀を振りかざして、肉を切り骨を断ち、それでも涼やかに血を求めるのである。

 

神回4連発。

恵美子が血に酔うとき。

 

youtubeで「幻の神回」というのを見つけた。これは大迫恵美子がアドバイザーとして回答しているものを4本まとめたものであり、どれも秀逸である。

 

1本目は、20年前妻が自分の友人と不貞を働いたことがいまだに許せず、復讐したいという50代の夫の相談。

 

2本目は、理由がわからず17年間も妻から別居されているが寄りを戻したいという夫の相談。

 

3本目は、外国人女性との間に4歳の女の子を設けた70歳の男性が、妻だけひとりで帰国させ、子供を日本で育てたいがどうしたらいいかという相談。

 

4本目は、42歳の夫から突然離婚を突き付けられた53歳の妻が、どうしたら離婚を回避できるかという相談。

 

どれも大迫恵美子が良い仕事をする。しかし少し様相が異なるのが4本目である。驚きの指摘など大迫節がさく裂するのだが、珍しく恵美子が血に酔うというのか、「私、わかっていました。あなたが言わないけれども、私、わかっていましたよ」と、何度も繰り返し言うのが印象的な回であった。あ、恵美子、血に酔ってるかも?と。

 

とはいえ、相談者と年齢の近い私にとっても、かなり胸が痛い相談であった。何度聞いても戒めになる。

 

 

 

選りすぐりの4本が入っている。まとめて聞けて便利。

しかしどんだけ大迫恵美子が好きなんだ、という(笑)夢中だな。

 

 

テレフォン人生相談 #大迫恵美子 #加藤諦三

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