ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

がん患者への励ましの多くは命令に近い。

驚きの励まし、さらに上には上が待ち受けていた。

 

昨年2度目の乳がんになり、心温まる応援、励ましをたくさんいただいたが、え?マジですか?っていう、度肝を抜くようなお言葉も多々いただいたのは、このひとつ前のブログで書いた。

 

 

exgirlfriend.hatenablog.com

 

 

でもいま考えると、まさに決定的なお励ましのお言葉があった。

 

あなたには感謝が足りない。もっと色んな人に感謝しないと。

感謝が足りないからがんになるの。

 

こっちが心身ともに弱ってて、グダグダ言っていたのも悪かった。悪かったけどね。感謝が足りないから、がんになるみたいなことを言うのは悪質すぎる。返す言葉もなかった。

 

 

励ましの多くは命令に近いから辛いのだ。

 

感謝が足りない、というのは論外にしても、多くの何気ない励ましの言葉が、がん患者を苦しめるのは、それが実は希望(元気になってね)であり、命令(頑張って→頑張れ、あきらめないで→あきらめるな)だからだと思う。

 

自力でどうにかなることならその励ましに応えようと思う。でもがんをはそうはいかない。いかんともし難い状況にあちこちから希望と命令を差し出されるので、辛い。

 

言葉がそもそも命令形であるために、言われる方としてはモヤモヤ感が残る。誰も命令されたくないからだ。そして抗がん剤などで心身ともに弱り切っているときに、誰もかれも命令形で励ましてくると、やりきれなくなってしまうのだ。では、本来の励ましってなんなのだろう。

 

結局、人は行動力を伴った人に力をもらう。

 

結局、その人の様子を見て、汲み取っていくしかない気がする。負けないで!で元気が出る人もいるかもしれない。でも、がん患者と周囲の言葉の齟齬は確かにあるわけで、そろそろ励ましの言葉にも新たなリテラシーがほしい。頑張って!負けないで!以外の。

 

私自身は、非言語のコミュニケーション能力が優れている人は凄いなと思っている。

 

妹の友人でそういうタイプの人がいる。基本、こちらとの距離をゆったり取っている。しかしこちらが困っている様子を見てとると、ぐんぐん幅寄せしてきて、あっという間に問題を解決していくのだ。妹が突然入院したとき、メガネを持参するのを忘れて、夜になって困っていたら、車で妹宅に行きメガネをピックアップ、病院の夜間受付まで届けてくれたり、とにかく機動力がある人だった。いざというときの行動力が半端ないのだ。そういう心遣いが抜群にうまいので、気持ちを寄せて話もしやすい人だった。

 

私の友人のKちゃんもそういうタイプ。私の抗がん剤の投与日から計算して、10日目くらいになると、ランチを設定してくれる。体調が整ってきて、外出に耐えられるだろう、少しは外に出て気分転換させようという魂胆なのだ。私も10日ぶりにメイクをして、洋服に着替えて出掛けるというハレの日があると、少々体調が悪くても、気持ちが上向く。

 

もちろんそんな行動力や気働きを、すべての友人に求めているのではない。でも会いに来てくれたり、それがかなわなければカードを贈るのでもいい。花一輪でもいい。頑張って負けないで、という言葉の代わりに、なにか相手を想う気持ちを表わしてくれたらそれだけでうれしいのに。寄り添う気持ちをなにがしかの行動で表してくれる人に、安らぎを覚える。

 

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 乳がんサバイバーへ にほんブログ村 その他生活ブログへにほんブログ村 その他趣味ブログへ