トルーマン・カポーティ、五木寛之、石原慎太郎、内田樹。この4人に共通しているのは、物書きであること、屈託のある性格、そして9月30日生まれであることだ。私も彼等とおなじ9月30日生まれ。物書きの末端のほうにいて、そして屈託がありあまる性格である。屈託がないというのは誉め言葉だけれど、屈託があるというのいただけない。
しかし9月30日に生まれた麗しい人もいる。東山紀之がその人である。東山紀之 - Wikipedia
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1966年9月30日、同年同月同日に生まれたヒガシと私。彼はどのような人生を送っているのだろう?誕生日が同じとはいえ、共通する部分、類似する部分があるのか?全く異なるのか?という疑問を検証してみようと思い立って、読んでみたのがヒガシの自伝的エッセイ「カワサキ・キッド」である。
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「カワサキ・キッド」は彼の生い立ちから芸能界のことまでをまとめたエッセイ集。一読してわかったことは、やはりいくつかの共通点が見られることである。特に幼少期が似ている。以下比較してみた。
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ヒガシの場合。
3歳のとき妹が生まれた直後、両親が離婚。小学校2年生のときに母に恋人ができ、ヒガシが小4のとき再婚。義父からの家庭内暴力が始まる。ヒガシにだけではなく、母、妹にも暴力が及んだ。得意な科目は国語、社会、体育。1990年代前半、母の投資が失敗、億単位の借金をヒガシが肩代わりする。
わたしの場合。
4歳のとき妹が生まれた直後、両親が離婚。母は離婚のショックを長く引きずり、幼稚園~小学生時は家庭内暴力、ネグレクトがあった。得意な科目は国語、社会。1990年代後半、母の事業が失敗。運営資金等の肩代わりをする。
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両親の離婚、母の借金を肩代わりするなど、人生の傾向、出来事が似ているではないか。金額のスケールは比較にもならないが、母親の借金のエピソードには驚いた。まさに私も直面した問題だったからだ。
複雑な生い立ちを、セピア色に変色した経年の出来事として静かな口調で語るヒガシ。しかし実際は大変な思いをすることも沢山あったのだろうなと思わせる。 ロシア人の血を引く祖父。父の放蕩に耐えかねて離婚し、理容師として生計を立てた母、3つ違いの妹。義父の存在。川崎の在日韓国人家族との交流など、結構ディープ。でも正直に、率直に書いている。その率直さが彼の精神力の強さと、清々しさを表しているように思う。
40代以降の彼と私の人生は似ていない。ヒガシは多少の浮き沈みがあったにせよ、長きにわたりスターとして活躍しており、私の浮世とは異なる。人生に共通する傾向はあるのかもしれないが、自由意志が、異なる出来事を人生に連れてくるような気がする。屈託はないほうが幸せになれるんだ。