ひょんなことから、手紙屋ヒカルさんという方と知り合った。
ヒカルさんはオンラインで西洋占星術鑑定や、メモリーオイルを販売していらっしゃるらしい。オンラインで鑑定を始めたのは、ほんの数か月前からだという。
ZOOMを使って、私のホロスコープを見せてもらいながら、鑑定は進む。私は占い好きではあるけれど、自分でなにか占いを学んだことはない。ホロスコープ上での星の配置や動きはなんとなくは知っているけれど、改めてひとつひとつていねいに説明されるというのは、新鮮だったし発見があった。
ヒカルさんいわく、私の星の配置はとてもバランスが良いのだそうだ。なんでもできる人、オールマイティーな人だそうである。できないことはできない!とさっさと手を挙げて走って逃げるけれど、たいていの事は60~70%くらいできてしまう。オールマイティーというより、自分では器用貧乏だと思っている。水星の位置からみると、書くということもあっているそうだ。書くのはお仕事ですのでね。よかった。
今回一番グッときたというか、目からうろこだったのは、月星座の解釈である。私の太陽星座は天秤座である。これは太陽の位置が天秤座にあったときに生まれたから。雑誌などの星占いは、たいていこの太陽星座を使う。対して私の月星座は牡羊座である。牡羊座に月があったときに生まれたのである。
これが何を意味するかというと、太陽は表面上の私を現し、月は私の内面や求めているものを表す。12星座は人の成長や人生の経過を表現しており、牡羊座で生まれ、成長しながら進む。12星座の最後は魚座。死と生のはざま。そしてまた牡羊座に戻り生まれるというストーリーがあるらしい。牡羊座は12星座の一番初め、生まれたて、存在したて。「I am」である。自分というものに意識がある。
何でもできる人、オールマイティーな人ですと言われて、うーん。確かにそういう面もないわけじゃないけど、それを、どうして認められなかったりするのか。結果にふさわしい成果がほしい、もっと私の仕事を見てほしいという、葛藤が自分の中に常にあるのです、と訴えた。
ああその葛藤はですね。牡羊座の月のせい、なのです。とのこと。内面や求めているものを表す月星座が牡羊座であることが、私であること、私にスポットライトが当たることを強く求めさせてしまっているらしいのである。牡羊座は「I am」。どこまでいっても「私」なのだ。この葛藤を滅するにはどうしたらいいのか。それは月星座を無視することなのだという。
月は無視しちゃってください。私、私、私、って思うのは牡羊座にある月のせいなので、そういう気持ちが出てきたらそれを無視するんです。えー無視?無視するんですか?そうです無視です。無視。
そしてヒカルさんが言うには、私は家庭にフォーカスするといいのだそうだ。出た。家庭。これ以前ほかの占星術の先生に鑑定してもらったときにも言われた言葉。仕事をもっと極めたいという私に、んー仕事よりも家庭なんですよねえ。と言われて、でも!でも!家庭的な要素ないし!仕事好きだし!と食い下がって呆れられた。
いえ、家庭というのは別に主婦とか、お料理とか、家事することだけじゃないんですよとヒカルさん。たとえば自宅でサロンや勉強会、またはホームパーティを開催するとか、私が切り盛りして(それが家庭的、主婦的ということか?)する仕事でもよく、とにかく家庭的な雰囲気のものがいいのだそうだ。おーそれならいいかもー。それなら理解できる。私、私、私と主張する牡羊座の月は無視して、なにか始めてみよう。と気持ちが持ち直した。
でも考えてみると、私、私、私って私が言うのは、私の意志とか希望を無視されてきたという子供時代の積み重ねがあったからだと思う。無視されてきた私を、満足させたい。そういう思いが強調され過ぎてきたのかも。そんな過ぎ去ったことに、ずいぶん長いこと牡羊座の月に惑わされて、振り回されて生きてきたことよ。鎮まれ私。
手紙屋ヒカルさんは、ふんわりとしたお方。子供の頃、文通が好きだったから手紙屋、と名乗っているんだそうだ。でも彼女の雰囲気にぴったりだと思う。電話のように突然でなく、メールのように自分勝手なタイミングでない。便せんを選んで、お気に入りのペンでていねいに書く。封筒に貼る切手も選んで、ポストまで出しに行く。その人のことを想いながら書く手紙の優しさがある。そんな手紙が届いたら嬉しい。そっと手元に置いておいて、たまに読み返したくなるような手紙。そんな鑑定をする方である。
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