ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

大迫恵美子は人を裁かない。探求するのだ。~テレフォン人生相談

久しぶりのテレフォン人生相談ネタである。

 

熱血の大原敬子もいいし、荒ぶる三石由起子ももちろんいい。しかし相談者の本音をえぐって切って、白日のもとにさらし、突き付ける、テレフォン人生相談の眠狂四郎、大迫恵美子の冷たい刃の切れ味に、毎度ドッキドキなわけである。

 

しかし、大迫恵美子はただ刺客なのではないのだな、と認識する放送回があった。

 

【TEL人生相談・神回】あなたの手は汚れている 大迫恵美子 ドリアン助川 2015-7-22 - YouTube

パーソナリティはドリアン助川、回答者は大迫恵美子という組み合わせ。

 

 エグイ相談内容。

相談者は65歳の既婚男性。45歳の元同僚女性に飲みに誘われ、その後ホテルへ。彼女の弟が事業に失敗しお金が必要なので、愛人になるのでお金を出してほしいと言われ了承。言われるがままに130万円を振り込んだ。しかしその後会ってくれない。このお金は愛人になるという契約で、返さなくてもいいということで約束であった。これは詐欺でしょうか?という相談。

 

「ずいぶんヒドイ目に遭いましたね」と大迫恵美子の第一声が明るい(笑)「んーまぁ恐らくは詐欺なんでしょうね」と相談者の問いを認めるも「(お金を取り戻すのは)いろいろな意味で難しいと思いますけどね」とすぐ釘を打つことも忘れない恵美子であった。

 

この女性に詐欺行為ではないか!と強く抗議して、約束通り愛人になってくれたらそれでいいのか?と聞かれると、それでいいんだと応える相談者。たとえ警察に詐欺で届け出たとしても、愛人になってくれれば訴えを下げるような話に、警察が真剣にとりあってくれるわけないでしょ?と、恵美子の諭しが続く。

 

「法律上でもとても難しい話なんですよ」と恵美子は優しく語りかける。家庭を持っているあなたが、愛人契約を結んだということ自体、道徳観念上の問題がある。愛人にならないならお金を返しなさい、とは裁判所は言ってくれない。既婚のあなたが愛人契約を結んだことが道徳に反するようなこと。あなたの手は汚れている。汚れた手のあなたがお金を返してと言うことはできない(これを不法原因給付というらしい)のだそうだ。不法なことを目的に渡したお金は取り戻すことはできない、という意味である。恵美子いわく、この女性は不法原因給付を知っているのでは?と。

 

と、もう反省して諦めようと思っている、反省していると言い出す相談者に、恵美子の刃が静かに立ち向かうが、相談者はまだ気づいていない。

 

ああ馬鹿なことしちゃったな損したなというのは反省とは違う、と断言する恵美子。20歳以上も年下女性が、自分のことを好きでもないことを知っていながら、お金で自由にできればいい関係を持つことが、自分の人生にとってそれが楽しければいいのか?と問う。

 

恵美子の攻撃は続く。以下実況。

 

恵美子「奥さまにはバレてはいないんですか?」

相談者「バレてはないけど感づいているかもしれないですけどね」

 

恵美子「感づいているというのはバレてるってことじゃないんですか?(クスッツ)あなたがこういうことをしていても関心を持たないってことなんですかね?奥さまとの関係を修復しておかなくても大丈夫なんですか?」

相談者「妻のほうはまだ大丈夫だと思います」

 

恵美子「(クスッツ)その根拠はどこにあるんでしょうねえ」

 相談者「根拠はないですね」

 

恵美子「結構ね、あなたの年齢になって離婚の話になっちゃうって多いんですよ」

相談者「はぁぁぁぁ」

恵美子「あなたもそろそろ定年で働けなくなっちゃうお年頃ですよね?もう収入も増えてくることもない年齢なので、ここらで清算して別々に暮らした方がいいなあって考える奥さんってたくさんいらっしゃるんだけど、大体はご主人のほうは気付いてなくてね、言われた時には突然のことでびっくりしちゃうんですけど。あなたの場合、奥さまからだってあなたは浮気してたでしょ?って言わちゃうと、全然不利な立場ですよね?そこのところはちゃんと手当しておかなくても心配ないんですか?」

相談者「はぁぁぁ…ですね…」

 

恵美子「130万のことがとても惜しいとかね、あんな言葉を信用して自分はバカだったなというところでは反省されているみたいだけど、もっと根本的なところで奥さんとの関係をきちんとしないで、よそのお楽しみにことだけ考えちゃったという、そっちの考え方のほうに反省しなければいけないところがありませんか?」

相談者「はぁぁぁぁ…なんとか頑張ります」

 

恵美子「いやぁ、全然わかってくださっているか心配ですけどね(フフッ)なにかこのご相談ではね、一番大事なところがズレていて、あなたの関心は130万のお金のもったいなさと、それでもいまなお、その女性が戻ってきてやっぱり愛人になりますと言えば130万のことは忘れられるということですから、女性に対する未練というこのふたつでご相談が成り立っているわけだけれども、そこを解決しても本当のことは解決にならないのではないかなと思いますけど」

相談者「「はぁぁぁ…」

 

恵美子「奥さんとの関係をもう少し徹底的に修復するようにしていかないと、実は今回の130万のことを、うすうす感づいているというところじゃなく、奥さんがなにかを掴んでいるかもしれないということを念頭においてね、奥様との関係を修復するように努力しなくてもいいんですか?」

相談者「はぁそうですね、もうじゃあそちらのほうに、もう諦めて」

 

しかし、1回関係持っただけで愛人契約なんて持ち掛けられて、130万円振り込んじゃうところがお人よしなのか、肥大化した欲望が為せるワザなのか。

 

最後の最後まできっちり追いつめる恵美子であったが、その真意が相談者にはまったく伝わっていないのが、とてもオカシイ。恵美子の鋭い匕首のような切込みと、相談者のはぁぁぁ…。という、力ない虚しい声色との対比が面白くてたまらない。

 

恵美子はジャッジはしない。探求するのだ。

しかし、あのオネエチャンが戻ってくれば130万回収できるけど、このままは惜しい!っていう、どちらかといえば、オネエチャンカムバックーっていうほうに軸足があるこの相談者。正直、こんなバカな話、誰にも相談できないんでしょうよ。そりゃそうでしょうよ。この相談を聴いていて、相変わらず恵美子は凄いと感服したと同時に、このお馬鹿で欲深い相談者を恵美子はジャッジしていないことに驚いた。

 

相談者のはぁぁ…という生返事に、ああわかってねえなあと思いつつも、しずしずと問題の本質に迫っていく恵美子は、わかってねえなあ=相談者はバカ、と思ったかもしれない。でもバカだからといって相手にしないのではない。バカだけど、そのバカの思考にダイブして、整理し、いま目の前の130万円とかオネエチャンに騙されたとか、そこで立ち止まってちゃいけないよ、問題の本丸は実は自分の足元の、家庭生活に延焼していくかもよ、と警鐘までならしてくれちゃう親切が、そこにある。

 

テレフォン人生相談を聴いていて思うことなのだが、相談者の相談内容は、実は表面的に見えていることでしかない。本当の問題に、相談者は気付いていない。もしくは言わない(言いたくない)のだ。

 

大迫恵美子は、この一見おバカな相談にも、自身のあらゆる見地を総動員して、まず法律的にどうかを述べ、そして本質へと向かう。辿り着こうとする。弁護士として、問題を解決するときに、依頼人の話を聞いているだけでは埒が明かないことが沢山あるんだろう。だから、まず聞いて、そこからその人物を、問題を探求していくという姿勢が感じられる。

 

大迫恵美子は人間に興味があるのだ。

 

大迫恵美子の回答ぶりに魅了されるのは、問題を、人を探求しようという姿勢にあるのだな、と気付いた回であった。恵美子ラブ♡である。

 

 

 #大迫恵美子 #テレフォン人生相談

 

 

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