ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

博士後期課程在籍者の(わりと)暗い未来の話。

朝日新聞の記事を読んだ。博士号を持ちながら、大学で職を得られず自死した女性の話である。

 

「家族と安定がほしい」心を病み、女性研究者は力尽きた

https://www.asahi.com/articles/ASM461C8QM3YULBJ016.html?ref=hiru_mail_topix1

 

あなたには既に職があってそれで生計が建てられているし、大学で教員になろうと思っていないだろうから許可したと、私が博士課程に進学する際に教官から言われた。もしあなたが20代だったら、将来の保障は出来ないし、そう易々と博士課程には進ませられなかったと。

 

この記事の女性は、研究成果を挙げていながらも、大学教員にはなれず自死されてしまった。もっと他の分野でも活躍できたかもしれないが、学位を得て、研究成果も挙げていたら、研究者以外の道を模索しろというのは酷だし、「家族と安定がほしい」という気持ちももっともだ。毎日を成り立たせる生活がなければ仕事も研究も続けられない。

いまは高校の教員は博士号取得者が優遇されるそうだ。高校の教員をしながら、在野の研究者であることも立派な姿勢だと思う。大学の教員など自分も周囲も納得できる身の振り方ができれば一番だが、それが難しいいま、在野であっても研究を続けらえるような環境を作ることも考えなければいけない。教育以外でも、一般企業のどんな分野で自分の能力を生かしていけるのか、マッチするのか、それを模索したりアジャストしていく目利き、臨機応変さも求められる。

 

私自身、今年で博士課程3年目。休学をしたとしてもあと3年しか大学には残れない。だとしたら在野の研究者という道もありか。あと10年くらいの間に博論書けたらなあ、と思っている。生きていればですが。

私事でいえば、谷崎潤一郎研究で食えるとは全然思っていない。でも、谷崎を知らない人にも面白いと思ってもらえるネタ(街歩きツアーなど)は提供できるし、歴史や文化などのカルチャーセミナー的なものでお話したりすることはできるので、本流の研究プラスαで色々やってみたい。

 

末は博士か大臣かと言われたのは遠い昔。博士それも文系の博士の将来は不透明過ぎる。

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