ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

がんサバイバーの老後設計

みんな老後の設計を考えて生きてきたらしい。

先日、相撲見物に誘われた。マス席が取れたからおいでよ、とのこと。誘ってくれた方は、大学院で知り合ったKさん。

 

相撲見物は本当に楽しい。十両の取組みが始まる前は、相撲を風景のひとつにして、飲んだり食べたり、話しをしたりしながら、だらだら過ごす。これが誠に心地よい。十両、幕内と取組みが進むと、会場の空気が変わる。そうなると土俵はもう風景ではない。取組みをみな一心に見つめる。あちこちから歓声があがり、ボルテージがぐんぐん上がってくるあの感覚。とても好きだ。

 

相撲見物のあと、お誘いしてくださったKさん、チケットのお世話をしてくれたYさんたち数名と、お疲れ様会と称した二次会に繰り出す。

 

Kさんは外資系の会社に長くお勤めされたという経歴の持ち主で、リストラに遭ったことをきっかけに大学院に進学。もともと興味のあった相撲について研究、修士を取得され、いまはまたお仕事に戻られた。しかし、なかなか思うような職場に出合えず、悪戦苦闘中だそうだ。ご主人から、とにかく65歳まではふたりで頑張って働こう、と激励され、Kさんご本人ももちろんそのつもりで奮闘されている。

 

65歳まで?65歳になったら年金もらえるから、もう働かないってこと?と聞く。Kさんは65歳になったら、公的年金と私的にかけていた年金保険がおよそ25万円ほど出る計算だそうだ。旦那さんも分も同額支給される予定なので、夫婦で月額50万円も年金が出るらしい。仕事は続けると思うが、悠々自適な生活ができると心待ちにしている。

 

夫婦そろって数年前にリストラされているが、上乗せした退職金ももらっているから、65歳以降の心配はない。65歳までのあと数年、貯蓄にとにかく手を付けずに、生活費を稼いで頑張る、ということなのだ。

 

老後の設計。そこ、そこなんですよ。

 

自分がトシを取ることをもちろん知っていた。ある日突然50歳になったわけではない。ただ、母のことや妹の死、私自身が2度目の乳がんになったこと、仕事がうまくいかなかったことなど、ここ10年くらいは、自分の老後について考える余裕がまったくなかった。

 

でもそれだけじゃなかった。34歳で乳がんになってから、とにかく自分の人生を取り戻すことだけを考えていた。いま、この瞬間のことだけに目を向けていた。

 

まあとにかく、老後のことを考える精神的な、かつ、未来を展望していくという、自分の人生に対しての信頼がなかった。いまだけ、ただそれだけ、という刹那的な視点で自分の人生を見ていた。またがんになるかもしれないと思うと、老後のことを考えて貯蓄するなんて、損をするような、ばからしいような気がしていた。

 

でも先のことなんか、どうなるかわからないから。長生きするという前提で老後のことも考えておかないと、と思う。K先輩ほどの万全を期することはできないかもしれないが、がんサバイバーの老後の設計について、相談したい。専門家に話を聞いてもらい、経済的な不安を少しでも払拭しておきたい。できることをしたいと思った。

 

がんサバイバーのみなさん、老後についてどんな風に考えていますか?

 

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