ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

母と私の距離。

今日、母が退院した。 今朝施設のスタッフの方が病院にお迎えに行ってくださったのだ。私は後日精算に行けばよいという流れになった。施設の方々には頭が上がらない。本当にありがたい。

 

1週間にも満たない短期入院でよかったけれど、やはり私ひとりでは対処できないことが鮮明になった。

 

施設から入院したと連絡があり、翌日病院に向かった。病室に担当の看護師さんがいるので訪ねてほしいと言われ、案内された。一晩中、せん妄状態だったという母は爆睡中。ところが看護師さんが「娘さん来てくれましたよーーー!」と、耳の遠い母のために大きな声で声がけしてくれちゃうのだ。私はそっと様子を見て、手続きだけして帰るつもりだったのだが。母は少し目を開けたけれど、なにかモゴモゴ言ったかと思うと、また眠ってしまった。

 

「娘さん来てくれましたよーーー!」と声がけしてくれた看護師さんは、私の様子を見てなにかをさとった。私を置いてそのまま病室を出て行った。「来てくれましたよーーー!」という明るい声がけに私はたじろいだ。看護師さんのそれは私にとって凶器だった。なぜなら私は母と話すことがなかった。

 

あんなことを言われた、こんなことがあったと、過去のことをほじくり返して耕す気持ちはない。私たちがそれぞれに舐めた辛酸の過去はあるけれど、そのとき、そうすることしかできなかったのだと、お互いに諦念がある。

 

距離や関係性を押し付けられるのが嫌だ。それをいちいち嫌だと表明するのが面倒くさく、そして憂鬱になる。私は薄情な人間だと思う。でも妹がいないいま、この距離でいい。

 

 

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