ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

中国のがん治療について少しだけ知ったこと/中国映画『我不是薬神』

中国ではどんながんでも標準治療は手術+放射線???

先日、中国から博士課程に研究員として来日している30代の女性に、中国のがん治療について聞いてみた。中国にもいろいろな抗がん剤があるのでしょうね?と聞くと、たいていの場合、手術と放射線治療をする、抗がん剤をするというのはあまり聞かないというので驚いた。いやいやがんて言ったって胃がん、乳がん、肺がん、大腸がん、その他いろいろあるでしょう?みんな手術して放射線ってわけないじゃない?と思って根掘り葉掘り聞いてみたけど、抗がん剤を用いるというのは中国ではポピュラーじゃない、あまり聞かないと。と思ってたら『我不是薬神』、邦題『ニセ薬じゃない!』という中国映画があることを知った。

 

youtu.be

 

『我不是薬神』、略して『神薬』は、2018年公開され、中国映画史上最大のヒットになる可能性もあるという、社会派ブラックコメディだそうだ。あらすじと、中国社会の抱える医療問題、ことにがん治療、そしてこの映画が与えた影響について、この香港出身の女性のブログが詳しいので貼っておく。ブログ 中華娯楽週報 https://jp.ign.com/china-weekly/27566/feature/21

 

インド製のあやしい男性用媚薬を売っている男のもとに、白血病患者がやってくる。薬価が1ビン4万元(約67万1100円)と高く購入できないので、インド製のジェネリックを購入してきてほしいと持ち掛けられたのだ。最初は断るが、結局インドまで出向き購入、インドの仕入れ値わずか300元、それを5000元で売っても、中国ではバカ売れし、成功を収める。もちろんその後紆余曲折あり、商売敵が現れて足元をすくわれたり、当局に睨まられたりして、どん底も味わう。そして彼の薬で命を取り留めた人たちのために再度インドからのジェネリック輸入をするのだが。。。というお話し(らしい)。実話がベースになっているのだそうだ。

 

このブロガーさんによれば、中国のがん患者の状況は相当に厳しいものらしい。がん治療について「買不起、拖不起、買不到(高くて買う金がなく、病気を放置する時間的余裕もなく、そもそも入手できない薬もある)」というのだ。そしたらこんな記事を見つけた。

 

中国で毎年新たにがんと診断される患者350万人以上にhttps://news.livedoor.com/article/detail/14604042/

 

 

中国で毎年新たにがんと診断された患者数は350万人を、死者数は200万人を超えている。肺がんや乳がん、胃がんなどが最も多く見られるがんの種類となっている。がんは予防と治療が困難であり、疾患の負担が重く、人類の健康を著しく脅かす重大な公衆衛生問題の一つになっている。新華社が伝えた。

研究によると、中国全体のがんの5年生存率は30%ほどで、先進国との間になおも大きな開きがある。

 

あらゆるがん種、ひっくるめて5年生存率30%ってすごい数字だ。中国からの来日している彼女が言っていた、抗がん剤治療する話はあまり聞かない、というのも大げさではなく、本当なのかもしれない。

 

化学療法室で出合った中国人女性のこと。

私が抗がん剤をしていたとき、大体同じようなサイクルでしているのか、いつも化学療法室で会う中国人一家がいた。お母さんと20代後半くらいのお兄さん、20代前半くらいの女の子は妹だろう。妹は私とおなじA医師の患者だったので乳がんなんだろう。お兄さんは日本に長いのか、流ちょうな日本語を話すが、おかあさん、妹はまったく話せない。そこでお兄さんは、検査から診察、抗がん剤の点滴中もフル回転で通訳をしている。

 

抗がん剤をするというのはあまり聞かないという彼女の言葉、『我不是薬神』という映画のことを知って、あの中国人一家が妹の治療を日本でしようと思い立った理由がわかった気がした。繁栄を謳歌している国で、あらゆるがん種、ひっくるめて5年生存率30%では、大金を使って、あらゆるつてをたどってでも海外で治療しようという気にもなるだろう。少子高齢化で日本の社会システム、医療システムも疲弊しているが、私は2回のがんで十分に恩恵にあずかったし、これをどんな形にせよ守らなければいけないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

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